スマートフォンや他のモバイルデバイスからデータをリカバリするには、現在いくつのツールおよびソフトウェアが必要でしょうか?
モバイルフォンのリカバリ・エンジニアは、これらのデバイスからデータを取得する段階をすべて網羅した包括的なツールがないことを熟知しています。
スマートフォンがロックされておらず、正常に動作し、標準インターフェースからアクセスできる場合、利用可能な市販のフリーソフトを使ってスマートフォンからデータを取得できます。
しかし、実際にはこのようなケースを扱うことは稀ではないでしょうか。
現実では、モバイルデバイスは破損しているか、ロックがかかっているか、あるいは完全に機能しないことがほとんどです。そのため、今のデータリカバリ・エンジニアは、多種多様なモバイルデバイスをリカバリしたい場合、特定の目的のために構成されたさまざまなアダプタやプログラマに多額の資金を投入しなければならないのです。しかし、得られるのは一貫性のないソリューションばかりで、その機能性は極めて限定的です。
これまで、以下を行うことができるソリューションはひとつも市販されていませんでした。
- 正常なデバイスおよび破損した/ロックがかかったデバイス双方のデータにアクセスするためのすべてのハードウェアメソッドを統一する。
- 独自の効率的なプラットフォーム内で、さまざまなファイルシステムからのデータを分析し、リカバリする。
- 広範な分析機能を有する。
- デジタルフォレンジックや他の目的のために、あらゆる種類のスマートフォンや他のモバイルデバイスからデータをリカバリする。
ACE Labの優秀なエンジニアたちは、1つのツールでこれらすべてのタスクに対応できる世界で唯一のユニバーサルなソリューションを開発しました。
PC-3000 MOBILEハードウェアプラットフォームは、モバイルデバイスのデータにアクセスできるよう、以下の3つの主要なメソッドをベースにしています。
- どのようなモバイルプラットフォームにも属するモバイルデバイスの標準インターフェース経由で操作することができます。PC-3000 MOBILEのコントローラには、独立した電源とエラー制御を備えた3つの組み込み式USB 3.0ポートがあります。現在のところ、Android OSデバイスはACE Labが開発した特殊ドライバー(x86、x64)を通じてPC-3000 MOBILEでサポートされています。スマートフォンが物理的に破損していない場合、標準的なスマートフォンインターフェースを通じて通常のケーブル接続によってスマートフォンのユーザーデータにアクセスできます。ACE Labの開発者は現在、Windows 10、Windows MobileおよびApple iOSをベースとするデバイスのサポートに関する研究を続けています。
- 部分的に破損したデバイス:個別または結合したアクセス方法として、JTAG/eMMC/FBUS/UARTプロトコルを使ってモバイルデバイスPCBのファクトリコンタクトを経由して操作することができます。
- 標準インターフェースまたはJTAG経由でデータコンテンツにアクセスできず、物理的に破損したモバイルデバイスには、幅広く機能するチップオフメソッドを使用します。このメソッドには、以下の機能が含まれています。
- SD 3.0/MMC4.41プロトコル(最大150 Mb/秒)をサポートする2つの独立した内部SD/MMC COMBOポートを通じて実装されたeMMC/eMCPチップ向けの直接読み取りモード。SD/MMCインターフェースの特殊なカーネルおよび専用設計により、”正常な”チップの高速データ転送が可能となり、破損したチップはファクトリモードで読み取ることができます。
- チップが標準インターフェース経由で機能しないか、または応答が遅すぎる場合、eMMC/eMCPチップのファクトリ端子を使ってNANDインターフェース経由で操作することができます。
- 9х11、10х11、11.5х13、12х16、12х18または14х18パッケージで製造されるeMMC 153/169、eMCP 162/186、eMCP 221、およびeMCP 529チップを幅広くサポートしています。このような広範なフォームファクターをサポートする上で、PC-3000 MOBILEキットにはインサートの1セットを伴う2つのユニバーサルアダプタが含まれています。
PC-3000 MOBILEは、ACE Labで長年にわたって取り組んできた研究開発の結果に基づいており、破損したソリッドステートドライブからデータを高い効率でリカバリできることがすでに証明されています。これらの技術には、ReadRetry読み取りモード、ソフトウェアおよびハードウェアの再試行手順、電圧選択メソッド、およびデータアクセスのためのファクトリモードが含まれています。
その上、PC-3000 MOBILEには、デバイス別の機能向け拡張ポートならびにアドオンモジュール用の接続が備わっており、すべてのポートの電圧は、内部の制御可能な電源ユニット経由で供給されます。
ACE Labは、PC-3000 MOBILEを開発する際に新システムのソフトウェア部分に十分注意を払いました。データダンプのコンテンツを保存した後、以下を行うことができます。
- ファイルシステム(FAT12/16/32、NTFS、Ext2/3/4、HFS+、exFATなど)のタイプに関する大きなリストをサポートし、論理的に破損した場合でも適切な成果を確保するための、ファイルシステムの詳細な分析。さらに、PC-3000 MOBILEには、作業のさまざまな段階(ADBボリュームなど)でデータに論理的にアクセスできる独自のメソッドが備わっており、フォレンジックフォーマット(AFF、E01、S01、RAW)で結果を保存できます。
- 標準コンテンツの解析。プレゼンテーションを目的として、多くのスマートフォンユーザーにとってなじみのあるフォーマットでユーザーデータを抽出し、それを特殊な表示モードで表示できます。PC-3000 MOBILEは、さまざまなコンテンツタイプ(コンタクト、テキストメッセージ、WhatsApp、Web、Wi-Fiなど)向けのモジュールが多数備わっているだけでなく、一連の分析機能およびフォレンジックツールも装備されています。
- 結果のエクスポートおよびアウトプット。PC-3000 MOBILEは、抽出したデータをフォーマット済みのレポートとしてエクスポートしたり、フォーマットを転送したり、またはファイルに直接転送することができます。
PC-3000 MOBILEは、Windows XP – Windows 10 (x86/x64) OSをサポートしており、外部ダンプの読み込みおよび内部ダンプのエクスポートを行うことができます。
2017年5月26日モスクワにおいて、この新しい包括的なシステム”PC-3000 MOBILE”のデモンストレーションが行われました。
現在のところリリース時期は未定ですが、判り次第お伝えします。
PC-3000 JAPANサポートチーム